田園調布南の伐採木の回収

 樹種:赤樫(アカガシ)、欅(ケヤキ)、黒松(クロマツ)、椿(ツバキ)
伐採地:東京都大田区田園調布南

「これから大きなアカガシを伐るんだけど、、、」 以前にマチモノのワークショップにご参加頂き、マチモノメンバーになって下さった空師さんからお電話を頂きました。

早速現場に駆けつけてみると、高低差のあるほぼ崖と言って良い斜面。空師の親方さんがケヤキを伐っているところでした。「空師」とは、木に登って剪定や伐採作業を行う職人さんの古い呼び方で、とりわけ巨木、高木を相手に空に近いところで仕事をする方々を差す呼び名です。

崖の上に回り込んで上がってみると、既に伐られたたくさんの丸太が並べられていました。

大きい丸太は樹齢50〜60年くらいの黒松。手前の細い曲がったのは椿、左の白いのはエノキ、左奥の伐られた断面が赤っぽいのがアカガシです。

空師さんが電話で仰っていたのはこれからとりかかるこちらの赤樫(アカガシ)。鱗状にはがれた樹皮は老木ならでは。なかなかの太さです。

木材としては国産随一の堅さと重さを誇る木で、白樫(シラカシ、材が白い)と共に大工道具(鉋の台、ノミの柄など)や農具の柄など、特別に強度が必要とされる用途に供されます。

赤樫は白樫に比べて圧倒的に珍しく、大工道具でもほとんどが白樫で(白樫も貴重ですが)、極めて希に赤樫が使われているに過ぎません。こうした希少な樹種であっても伐られたら廃棄物、それが街の木の現状なのですが、今回は空師さんのおかげでスルーせずに済みました。

こちらはケヤキ。それほど太くはありませんが、真っ直ぐで欠点のない丸太が何本か採れそうです。ケヤキは国産広葉樹としては量があり、性質も大変優れた良材です。強度とともに耐朽性も高いので、寺社建築でも良く使われる良材です。


黒松。珍しい樹種ではありませんが、これだけ太いものは棄てるにはもったいないですよね。昔は建築材、特に屋根を支える梁としての使用が松の一般的な使い方でしたが、輸入材に押されて昨今はほとんど使われなくなりました。

松はヤニが多く、しばらくはベタベタしますが、磨いていくと飴色になりいい味が出てきます。 年輪を数えてみると、先ほどの赤樫の老木もそうでしたが、60年を越えていました。

他にもかなりおおきな椿があり、これはこの場で回収。既に伐られた丸太のなかで回収するものとしないものを選別し、これから伐る木々については、どのように伐って頂くかを打合せしてこの日は撤収となりました。

後日、製材所に届けて頂いた赤樫の丸太。やや短く伐られているのは、長いと重すぎてクレーンに厳しかったため。

赤樫の丸太は2本。芯の部分にわずかに痛みがありますが、このくらいの痛み具合であれば御の字です。ケヤキも良い具合の成長速度で育っていますし、赤味が張っていて色も良さそう。黒松はこれまでに回収した事のなかった樹種でしたので、これも価値アリ。

とは言え、実際に丸太の中がどうなっているのかは、製材をして割ってみなければ分かりません。これらの木々が生きてきた年月が開放されたとき、それぞれにどんな表情を見せてくれるのか、本当に楽しみでなりません。


空師さん、この度は本当にありがとうございました。
空師さんの会社:有限会社隼人さんのHPはこちら

日を改めて製材。

製材した板を桟積みして自然乾燥。製材したての板は一枚数十㎏。運んだり積んだりするのは大変な作業です。

東京の都市部では自然乾燥のためのスペースを確保するのが大変。

 

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