カヤの実を見つけたよ

近所の公園でカヤの実が落ちているのを見つけました。カヤの実は古くは油をとる原料として、種子は食物や薬として利用されていたそうです。

左が果肉が付いた状態。右が種子。果肉は軟らかく簡単に外せます。それほど強くはありませんが、柑橘系に似た独特の芳香があります。柑橘系のように手放しでいい香りというのはちょっと抵抗があるけれど、決して悪い香りというわけではない、何とも言えない微妙な芳香です。

果肉は軟らかく銀杏のように簡単に外せます。素手で行っても銀杏のような匂いに悩まされる事はありませんが、油分が多くべたべたします。写真のものは拾って少し時間が経っているので傷んだ部分に黒ずみが見られますが、新しいものは綺麗な緑色です。

種子は食用になりますが灰汁抜きをしなければなりません。草木灰を水に入れて1週間ほど種子を漬込みます。

灰汁抜きが終わった種子。乾煎りして食べてみました、、、う〜ん、美味しくない。なんでしょう、これは、、、ピーナッツの甘皮だけを食べてるような感じ、堅さは中庸、柔らかくはないけど堅くもない、ピーナッツのミイラを食べているみたい。

内種皮はとても剥きにくいので剥く気になれません。

しかしなんでしょうこれは、、、まったく根拠はないのですがなんだか健康になれそうな感じ、はあります。調べてみると、やはりカヤの実も栄養素は豊富なようなので、美味しくはないけど食べる意味はありそうです。まぁ薬のようなものでしょうか。味がほとんどしないので、なにかに混ぜるのもいいかも知れませんね。

こちらはカヤの実のウォッカ漬け。拾ったばかりの綺麗な実をそのままウォッカに漬込んでみたところ、一昼夜でしっかり香りが付きました。そしてこれは、、ジンっぽい!!! カヤの実のなんとも言えない香りの奥底に感じられた「えぐみ」のようなものが抜けてとてもさわやか。これはお勧め!

カヤの木について

カヤ(似た形の葉をもつ同じく針葉樹のイチイなどもそうですが)は樹全体がもつ雰囲気がどことなく神聖な感じがする木です。成長が遅く寿命が長く、長い年月を風雨に堪えて生き抜いた歴史がその佇まいを作るのか、大きく成長した樹齢のあるものはいわゆる御神木になっていることもしばしばです。

カヤの木は木材として非常に優れた性質を持つ良材です。独特の芳香があり、腐りにくく水湿や虫害に強い。黄色味を帯びた材色で経年変化が美しく、とりわけ碁盤の材料としては最高級。産出量が少ない貴重な銘木なのですが、街で伐られるとその価値に気付かれず、棄てられてしまうことも多いのです。

 

inserted by FC2 system