横浜市都筑区すみれが丘 「並木道のこれからを考える」 8月23日(木曜日)

大きくなりすぎた街路樹が電線や建物を圧迫し、根元では土のスペースが見えないほどに幹が張り、縁石やアスファルトを持ち上げている。私の家の近くでも、甲州街道のケヤキ並木がそのような状態で、伐採工事がはじまっているところや、地域住民のグループが保全活動や落ち葉の清掃活動をしたりしています。

今回は、横浜市の方からご相談をいただき、マチモノの湧口が講師を勤めることになりましたが、このような街路樹の状況は多くの街で見られる普遍的な状況であろうかと思います。

もうどうしようもないので伐って活用しましょう、とか、街の歴史を見守ってきた大切な木だからなんとしても残しましょう、とか、単純なお話をするつもりはありません。

人の生き方に決まった正解がないのと同様に、街の木のあり方にも単純な正解はないのだと思います。たとえば医療でも延命治療をすべきか否か、するのであればどこまでなのか、といった問題に正解がないように、街の木をどうするかという問題にも決まった正解はないのです。

講座ではいくつかの事例を紹介し、この問題を考える上で、どうあれ前提として知っておくべきことの共有をした上で、参加者の方々とできるだけ対話方式で、一緒に考え、議論を深められればと思います。

漫然と眺めるのではなく、注意深く見る、観察する、ポイントを知って見る、木の表面から読み取れることの意味を知る。実際に現場を歩きながらのお話もいたします。

講師(湧口)からのメッセージ:どこにでもある郊外住宅地の課題に応えたい

数十年前に鉄道会社によって開発された郊外のベッドタウン。出来た当時は働き盛りの住人が大勢いて、基本子育て世帯で子供もいっぱい、若々しく綺麗な街並みで、アップダウンが多い坂道の地形もそれほど苦にはならなかった。しかし今や進む高齢化、希薄な住民交流、空き家の増加と、こうした街の先行きはは、楽観視するのが難しい状況になっています。

ケヤキ並木の抜本的な手入・更新が必要ということがきっかけで、この街でまちづくりに取組む方々からお声がけをいただいた案件でしたが、現場を見に行き、お話を伺って感じたのは、このいままさに手を入れないとという状態になっているケヤキ並木は、この街の象徴かもしれない、ケヤキ並木の将来を議論する上では、この街全体の問題を意識しながら状況の好転に寄与することが目指されるべき、と思われました。

こうしたボロボロのケヤキを保護しようと伐採して木材として活用しようと、どちらにしたって不十分。なにをやってもいいけれど、この街の課題を見つめ、それに応える形で試みられないか、この街の方はもちろんそうでない方も、一緒に考えていただければと思っています。

私にお声がけくださったのは、コーポレートデザインや渋谷などのまちづくりを手がけてきたまちづくりのオーソリティ、堀田一牛先生。経営されていた会社を離れてからは故郷の静岡県藤枝のまちづくりに取り組んでいましたが、数年前にこの街に戻られて、すみれが丘自由研究会を立ち上げ、この街の課題に応えようとしています。

この街の方々はもちろんですが、ほかの街にも共通する課題がテーマであり、生きたまちづくりの現場に触れられる機会でもあります。60年代からのまちづくりを知る堀田先生にお話を聴けるチャンスでもあります。この街の方々はもちろんですがそうでない方も、関心のある方は是非、ご参加いただければと思います。

※もちろん、単純な木の活用のお話もいたします。質問自由ですので、街の木や街の木の活用、木工やものづくりに関心のある方はぜひ遠慮なく、この機会をご活用ください。

イベント概要

日時:8月23日(木曜日) 10:00〜12:00 (終了後 希望者による懇親会)

会場:すみれが丘小学校図工室(横浜市都筑区すみれが丘34)
        →アクセス

参加費:500円(小学生以下200円)

主催:すみれが丘自由研究会

メールでの参加お申し込み:40-ichigyuu@h03.itscom.net(すみれが丘自由研究会 堀田)
電話での参加お申し込み:090-8157-3844(すみれが丘自由研究会 堀田)

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