保育園の桜を活かそう! 製材ワークショップ(東京都杉並区):8月25日(土)

来年秋に障害者福祉施設に生まれ変わるため、工事が進行中の旧上井草保育園(近くの敷地に新園舎ができて移転済)。この保育園で園庭を見守ってきた大きな桜のうち、福祉施設で使用する車両の出入りに支障が出ない桜については残されましたが、入り口脇の大きな桜は伐採されることになりました。

この桜を木材として活用し、新しくできる障害者福祉施設で使う計画が進められています。今回は、その取り組みの一環として、一般の方々を参加者にお招きし、一緒に木材化にかかる作業に取り組む「製材ワークショップ」を開催することになりました。

園庭を包み込むように天高く伸びていた桜の木


(今回、伐採した桜の木の傷んだ部分)

これだけ大きく、隣の敷地や道路上へも枝を伸ばしていると、どうしても大きな幹の剪定をせざるを得ません。伐採された桜の木も、強剪定をきっかけに深刻な傷みが進行中でした。倒木、幹折れ等の事故の危険を考えると、結果的に良い伐り時期だったように思います(中心部の色が変わっている部分は全て、腐朽によりスポンジ状になっています。こうした傷みが回復して健康な組織に戻ることはありません)

もちろん、製材ワークショップでは、痛みが入っていなかった部位を使用します。少しだけ事前に切りましたが、それでも直径70cmはある大きな丸太。10人集まっても持ち上がるかどうかと言う重さです。 

今回はこの丸太から、障害者福祉施設で使うベンチになる木材の切り出し、またすでに切り出してある部分にカンナをかけたり面取りをしたりして、ベンチの座板作りの作業を行います。

最初は樹皮を剥く作業


(写真は以前の製材ワークショップの様子です)

剥いた桜の樹皮はワークショップのなかで、草木染めに使用します。手ぬぐい用の布をお一人様1枚ご用意いたします。

今回の桜の樹皮は、どんな色を出すのでしょうか。

皆で一緒に、大きな自然の賜物に丸一日をかけてぶつかって行きましょう!

丸太を動かすこと、その重さ、そのコツ、その工夫、その道具、皮を剥くこと、剥く時のシワシワという音、香り、てらてらと光る地肌、湯気が立ちのぼるかのような質感、剥いた樹皮でも作品が作れそうなこと、大鋸をはじめとした様々な道具たち、大鋸を挽いて挽いて、ついにあらわになる木の内側、その木目、その歳月が作り出した模様、成長の途中になにがあったのか、傷みや途中で傷ついて修復した痕があるかもしれない、特別に美しい杢を表すかもしれない、そんなこと事を、この地で伐られた木の元にみんなで集まって、一緒に体験したいと思います。

大きな木が伐られ、地域の景色が変わるような時、普通であれば、いつのまにか工事の仮囲いに覆われて、それがなくなった時にはまったく別の景色に変わっているものです。製材ワークショップというイベントは、この景色の変わり目、この景色を象徴していた大木の最後をきっかけに人が集まり、この地域のこれからにつながるなにかに一緒に取り組もうというものです。

この木を知っていた人、この地域に縁がある人はもちろん、このイベントに参加してはじめてこの場所に縁ができたという人も、みんな一緒に、丸太という大きな自然の賜物と、がっぷり四つの取っ組み合いをする。この大木は伐られてしまったけれど、その最後に、たくさんの人が集まり出会うきっかけと、特別な体験を共有できる機会をくれた。

「木があって良かった!」 「大事に育ててきて良かった!」

イベント終了時には、そんな思いを皆様と一緒に感じられればと思います。

【詳細・参加申込

※杉並区主催のイベントですが、杉並区在住の方はもちろん、そうでない方も遠慮なくご参加ください。これまでマチモノで開催してきた製材ワークショップでも、たとえば世田谷区の木の場合でも、近隣自治体からの参加者はもちろん、近畿や東北の他県からも参加者があり、その後現在に至るまで、参加者間での交流が続いています。こうしたこともまた、大木の最後に人が集まったからこそできたこと、人をつないで地域を元気にする、このイベントの大切な価値だと実感しています。

※木工の工具なんて触ったこともないという方はもちろん、作業は少ししかできないだろうけど、作業の様子を眺めていたいと言う方、とにかく立ち会いたいという方も、ぜひご参加いただければと思います。

主催は杉並区となります。参加のお申し込みは、杉並区役所 障害者生活支援課へお願いいたします。

お電話でお申し込み :03-3312-2111(代) 内線2277 担当:大友、山田
メールでのお申し込み:
S-SEIKATU@city.suginami.lg.jp

参加者数に限りがございますので、お早めにお申し込みをお願いいたします。

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