ドングリコーヒー

『どんぐりコーヒー』 名前を聞くと、何となくわくわくする気持ちになるのは自分だけでしょうか?
ぐりとぐらの絵本を思い出します。

今回使ったどんぐりは『マテバシイ』という種類のもの。

どんぐりと一言でいっても種類は様々。 アクが強くて下処理しないと渋くて食べられないものや、下処理しなくても食べられるものがあります。今回使った『マテバシイ』というどんぐりは、アクが極めて少ないものなので、気軽に食べてみたい人にはお勧めですね。

さて、まず最初はバケツのようなものにどんぐりを入れ、水をたっぷり入れてしばらく置いておきます。水に浮いたどんぐりは使えません。次に、どんぐりを軽く洗って水を切ります。

乾物用ネットに入れて水気を切ることにしました。ちなみに、そのまま干しておくと殻にヒビが入るので殻をむくのがラクになるようです。

ペンチを使って殻と薄皮、をむきました。途中、一粒生のまま食べてみましたが、やはりマテバシイ。全然渋くなく、でも極めて美味しいわけでもなく、ただただリスになった気分になりました。

次は、どんぐりを細かくします。一気にミルミキサーに入れると、ミルが壊れてしまうかもしれないので最初に細かくしてからミルにかけることにしました。ビニール袋に入れて、上からガッツガッツ叩きます。結構固い!


ミルにかけてからザルで振るいにかけると、どんぐり粉の出来上がりです。結構綺麗!


これをフライパンで乾煎りします。途中、ほんのりとどんぐりの甘い香りに包まれます。いい香り!  20~30分、色がつくまで弱火で炒ります。甘い香りが少しずつ香ばしい香りに変わっていくのが分かります。

出来上がりました! お茶パックに入れて、湯に色がつくまで入れて飲むことができます。コーヒーのドリップでも飲むことができるようです。小さじ1杯の粉でカップ1杯分位のコーヒーが飲めるようです。

さて、問題のお味の方は・・・

正直、コーヒーですか?と聞かれたら、どうでしょうか?と答えたくもなる。そんな味でした。ですが、身近な自然と秋を体で感じることが出来ているという全身の幸福感を感じることが出来ました。何というか、体が喜んでいる。という気がしました。とてもほっこりした気持ちになれました。

今回のどんぐりコーヒー作りは、まぁまぁ成功。というところではないでしょうか。時間はかかりましたが、とても充実感でいっぱいです。

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【今回製作したどんぐりコーヒーを飲んだ人からの感想】

どんぐりコーヒーは、いわゆる「代用コーヒー」のひとつとして、禁輸措置や戦時などの事情によってコーヒーが手に入らなくなった地域や時代に飲まれてきたものでした。また一方で、ノンカフェインである、栄養があるという事から健康食品として注目され、飲まれているということもあります。

実際に飲んでみての感想ですが、思いのほか美味しいです。とても美味しいと言ってしまえば言えてしまうところが、コーヒーにはなりきれないところかも知れません。コーヒーやビールのように嗜好が別れるものだからこそ深くハマる人がいる、そういう意味ではクセがないので魅力が少ないとも言えますが、それは反面、良い点でもあって、コーヒーよりも優しい味なのでコーヒーがニガテという人にもお勧めできそうです。

思うに、コーヒーでないものに「コーヒー」と名前がつくのが良くないのでしょうね。濃厚なコーヒーが好きな人やコーヒー独特の芳醇な香りを求める人が飲むのであれば、所詮代用品ということになってしまうでしょう。紅茶にコーヒーの良さを求めても意味がないように、紅茶には紅茶の、どんぐりコーヒーにはどんぐりコーヒーの良さがあります。代用品という色眼鏡を外して公平に見るならば、もっと評価されて良いように感じられました。

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